仮想通貨、暗号通貨は本当に危険なものなのか?

仮想通貨

2021年、空前の仮想通貨バブルが起き、同年の11月にはビットコインの価格は史上最高値の777万円を記録しました。この年から仮想通貨を始め、ブロックチェーン技術を使用したサービスの開発が盛んになりました。その一方で、仮想通貨でのトラブルも多く見受けられる様になりました。

仮想通貨が最近話題だけど、良い話も悪い話も両方聞くからどれが正しいのか分からないわ。

ちょっと気にはなっているけど、取り返しのつかないことになったら怖くて手が出せないのよね…

仮想通貨は投資対象としてはとても不安定なものです。ですが「通貨」とある通り、コインとして扱う分にはあまり支障が出なかったりします。

投資対象としてみても、きちんと正しい扱い方をすれば所持金が0になるようなリスクは大幅に減らせます。

知識がないままに見るよりも、ちゃんと知識を得てから見てみるとさほど恐ろしいものでもなかったりします。

今回は仮想通貨の怖いと言われているところと、なぜそうなってしまうのか、そうなる前の致命傷の避け方をご紹介します。仮想通貨、暗号通貨に興味のある方への参考になれば幸いです。

仮想通貨の怖い話と、その実態

仮想通貨、暗号通貨でよく聞く悪い話は以下のものが多いです。

  • お金が一瞬で無くなる
  • 高い税金を課される
  • 投資詐欺によく使われる

これらが起きてしまう原因は大体が知識不足だったり欲が出すぎてしまった結果によるものだったりします。

そしてこれらは別に仮想通貨に限った話ではありません。

ですが仮想通貨での失敗談となると途端に恐ろしい話に思われてしまいます。

それも踏まえて、それぞれの失敗談の原因と致命傷の回避策をご紹介します。

お金が一瞬で無くなる

有名人が仮想通貨投資で全額なくなってしまった話をよく聞くけど、仮想通貨って投資したらお金がなくなっちゃうの……?

なんだか怖いわ…。

「仮想通貨投資をしていたら、失敗してお金が全額なくなった」という話をよく耳にしませんか?

この話だけを鵜呑みにすると、「仮想通貨投資は失敗するとお金が全額なくなる」と思われがちです。

しかし実際は、高いリターンを求めて高いリスクを犯した結果、リスクの方が選ばれたという背景があります。

原因:高レバレッジ取引や詐欺コインに投資してしまった

仮想通貨取引には持ち金を担保にしてその金額の何倍も多くの仮想通貨を取引できるシステムがあります。

そのシステムが「レバレッジ取引」です。

例えば、普通なら持ち金が10万円では一枚5万円の仮想通貨は2枚しか買えません。

しかし、レバレッジ取引だと持ち金の10万円の間で損失が補えるなら、持ち金以上の仮想通貨を買うことができます。

持ち金以上の仮想通貨が買えるので、値上がりした時は利益も大きいですが、値下がりした時も損失が大きいです。

先ほどの一枚5万円の仮想通貨を例にします。

10万円分(2枚)買ったあと価格が6万円になったら10万だった資産は6万×2枚=12万円になります。

反対に、4万円まで値下がりしたら10万だった資産は4万×2枚=8万円になります。

これがレバレッジ取引で資産の5倍まで借りれるとなると…

10万円の5倍、50万円分の仮想通貨を借りることができます。

価格が5万円の仮想通貨を買うとなると10枚買うことができますね。

この通貨が6万円になった場合、6万円×10枚=60万円、元々の仮想通貨50万円分を返して10万の利益が出ました。持ち金に足すと20万の資産になります。

しかしこの通貨が4万円まで値下がりすると、4万円×10枚=40万円、通貨を返すと10万円の損失になります。この損失は持ち金から引かれるので、資産は0となります。

現物での取引なら10万円が8万円になるだけで済んでいたものが、5倍のレバレッジ取引では資産が全てなくなってしまうのです。

これが仮想通貨投資で持ち金がなくなってしまう仕組みです。

このほかに詐欺コインという偽物のコインを買う、というものもあります。

詐欺コインは一般の取引所にはかなり出にくいのでそんなに引っかかる人も多くはないです。

回避策:現物や低レバレッジ取引をする

詐欺コインに関しては有名な取引所のような、きちんと通貨を調べているところには出回りにくいので、あまり心配はありません。

問題はレバレッジ取引ですが、そもそものところレバレッジ取引をしないのが最善策です。

大きいリターンを狙った結果、リスクの大きさを考えておらず、そのリスクに落ちてしまう。

現物なら価格の100%まで下落することはまずないので、資金が0になることは起こりにくいです。

2倍レバレッジだと50%までの下落、4倍レバだと25%までの下落で資金が0になります。

10倍レバなら元の価格の10%下落で資金が0になり、かなりのハイリスクとなります。

このことは自身で調べないとわからないことで、レバレッジ取引の説明には大きいリターンのことだけ説明されていることが多いです。

欲張って大勝ちを狙う人や、数倍のレバレッジの損失の大きさを知らない人の失敗談、ということですね。

高い税金を課される

仮想通貨が世間に知られ始めた頃にお笑い芸人の誰だったかが仮想通貨の税金で借金を背負ってしまったって話があったわね。

税金ってそんなにかかるの?

某エアバンドグループがメジャーヒットした時、最初の稼いだお金で豪遊したら高い税金が課されていたことに後から気づき、払えなかったという逸話があります。

当の本人は失敗談として笑い話にしていますが、やっていることはあまり変わらない仮想通貨での失敗談になると途端に恐ろしい話に思われてしまいます。

なぜ、税金のことで仮想通貨業界は怖がられているのか。

それは、「よくわからないがお金を取られる現象」が芸能界という手の届かない世界ではなく、仮想通貨という関わりが持てそうな業界で起きたからです。

原因:身近にあるよくわからない世界なので怖い

芸能界のような、いわば雲の上のような世界での大金が動く話なんてものは想像もつかない世界で起こることなので他人事のように思えます。

しかし仮想通貨の話となると別で、芸能界よりも身近な世界というのもあり、よくわからないものがすぐそこまで迫ってきているようにも見えてしまいます。

しかしこれも、原因を突き詰めれば「よくわからないから怖い」ということになります。知ってしまえば怖いことでもありません。

回避策:税金についての知識をつける

仮想通貨にかかる税金はややこしいとはよく言われますが、大きなルールは以下の通りです。

  • 仮想通貨の利益は雑所得扱い
  • 20万円以上(扶養家族なら33万円以上)の利益で課税
  • 税率は利益の約20%
  • 仮想通貨に換金時点から国内通貨に換金時点までの正の差額が利益
  • 仮想通貨で物を買った場合も購入時時点までの差額を利益とする

特にややこしいと言われるのは下の2つで、わかりやすく説明すると「お金を仮想世界に入れてから、現実世界に戻した時に出た差額が利益」ということになります。

例えばビットコインが5万円の時に一枚買い、35万まで値上がりした時に現金に戻した場合、差額の30万の儲けに20%の課税がされます。

これを現金に戻すのではなく、35万円のものを買うときにビットコインで購入した場合にも同額の課税がされます。

「仮想世界の通貨の価値を現実世界に反映させた」からです。

どちらにしても30万円の20%…6万円が税金としてかかります。

このとき、現金化した場合だと35万円から6万円引かれて29万円の利益になるのですが、コインで物を買った場合ややこしくなります。

35万円で購入してしまったので、引かれる分の現金を別のところから工面しなくてはいけません。

仮想通貨で買い物をする時には注意が必要です。

また、税金がかかる利益計算は、確定申告するまでの間の1年間の損益のトータルに掛かります。

なので「リップルで大儲けしたので現金化した。その後、その元手でリップルを買ったら暴落した。資産が溶けただけでなく、儲けた分の税金がかかり借金を負ってしまった」という話は若干懐疑的でもあります。

なぜなら、年内であれば暴落した損の分も計算されるからです。

儲けた金額と、損した金額を合計して20万を超えないと税金がかかりません。

この辺をミソに考えてみるといいでしょう。

投資詐欺によく使われる

最近だと某お笑いコンビのひとりが知らずのうちに仮想通貨の詐欺に加担していて、業界の身内に投資を進めて集金してまわっていたって話を耳にしたわ。

仮想通貨投資って詐欺が多いんじゃないの?

仮想通貨投資は詐欺の危険性がある、という話もよく聞きますが、実際のところはどうでしょう。

よくよく考えてみると、投資詐欺というのは何も仮想通貨に限った話ではありません。

「まだローンチされてないんだけど、◯◯というコインが今流行っていて、先に買っておけば大儲けできるよ。選ばれた人にしか販売されてないから代わりに買ってあげようか?」

こう言った勧誘文句も、ローンチを「上場」、コインを「銘柄」に変えるだけで株式のインサイダー取引っぽくなります。

やってる基礎は同じで、時代の移り変わりで理解度の低いものが選ばれているだけです。

つまり正しい知識と理解を持っていれば、仮想通貨投資で詐欺に遭うことはまず少ないのです。

原因:仮想通貨投資への理解が少ない

正しい知識と理解とは「簡単に大儲けできるものではない」と知ることです。

仮想通貨に夢を抱いている人には申し訳ありませんが、この考えを捨てなければそもそもの仮想通貨で利益を得るのは難しいです。

どんなに失敗しても「どこかにその夢が眠っているはず」「この失敗は夢を掴むための必要経費だ」と一発逆転を夢みてるから、そんな夢みたいな話を受け入れてしまうのです。

仮想通貨で失敗するのは、運が悪かったからではありません。売りサインやシグナルも見ずに検討外れの銘柄を買うからです。

あなたが夢を掴めないのは、運が悪いからではありません。そんなものはないからです。

仮想通貨というのは、株式投資よりもリスキーに、外国為替よりもスピーディにリターンを狙うものです。わざわざ博打に変える必要はありません。

その大前提を踏まえて、そんな「どうみても詐欺」とは別に気をつけなくてはいけない博打のようなコインがあります。

それが詐欺コインです。

回避策:信頼のない機関や人にお金を預けない

詐欺コインは普通の仮想通貨に見せかけて買ってもらい、資金が貯まったらお金を持ち逃げする、というものです。

ですがこういったコインは、ユニスワップなどのDifiの草コインに紛れてトレードされており、一般の取引所に出回ることはまずありません。

逆に言えば、取引所で扱われているコインは比較的安全とも言えます。

きちんとした機関が精査し、ホワイトペーパーを掲載することで、その通貨の安全性を証明しています。

そういった信用のできる機関で取引することをお勧めします。

もし仮に詐欺コインや取引所未上場のコインについての話を持ちかけられた時には、少なくともコインゲッコーに載っているコインかどうかだけは調べてみてもいいかもしれません。

CoinGecko - 暗号通貨価格をトラッキング
CoinGecko – 暗号通貨価格をトラッキング
開発元:CoinGecko
posted withアプリーチ

コインゲッコーは、仮想通貨として価値がついてDifiで取引されているコインのデータをまとめているアプリです。

マイナーなコインや草コインも検索できるので、コイン名を調べてみて表示されなければ、存在しない架空のコインの可能性があります。

結局は知識不足

こうしてみてみると、冷静に考えていたり事前に知っておくことで回避できそうなことがほとんどね。

そうなんです。税金についても詐欺についても知ってしまえばどうということでもないですし、お金がなくなるという人はそもそものところトレードの基礎を理解していません。

  • 結論を言うとそれぞれきちんと知識を持っていれば未然に防げるものやダメージを最小限に抑えられるものがほとんどです。
  • レバレッジ取引でリスクとリターンを調整する
  • ギャンブル性の高いものは手を出さない
  • 年間利益が20万円以下なら非課税
  • 20万円以上の利益が出たら税務署に相談
  • 利益は自分にしか来ないものと考える
  • 誰かが貴方のために儲かる話を持ってきたりしない

これだけ気をつけていれば、まず大丈夫と言えるでしょう。

ちなみに、海外の取引所では資金を使わずにリアルタイムの値動きでトレードを体験できる「デモトレード」と言う機能もあります。

最近のアプリでもバイナリーオプション風にポイントを貯めるお小遣いサイトなども出てきました。

お金をかけずに投資体験する方法はたくさんあります。

もしもお金がなくなるのが怖いという方は、こういった無料体験アプリで取引してみるのもいいかもしれません。

そもそも無くなったら慌て困ってしまう程の資金でリアルトレードはすべきではないと思いますが。

仮想通貨に興味のある方は是非とも一度デモトレードをお勧めします・

ということで、今回はここまで。

最後まで閲覧いただきありがとうございました。

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